脱腸と呼ばれる鼠径(そけい)ヘルニアの悪化を防ぐ3つのポイント。
2022年05月30日
鼠経ヘルニアの根治をするには手術が必要ですが、
ある程度悪化を防ぐことは可能です
鼠経ヘルニアとは
ヘルニアとは、内臓などの組織が、体のあるべき場所からズレたりはみ出したりした状態のことです。
起こす部分によっていろいろなヘルニアがありますが、鼠経ヘルニアとは、鼠径部と呼ばれる足の付け根の部分で起こるもので、本来お腹の筋膜に包まれているはずの腸の一部が、筋肉の破れ目からはみ出しているものです。小さいものであれば痛みなどもなく押したら戻りますが、押しても戻らなかったり強い痛みがでたりすることもあるので、悪化を防ぐことは大切です。
鼠経ヘルニアの悪化を防ぐポイント
- 腹圧がかかることを防ぐ
鼠経ヘルニアは、筋膜に穴が開いて腸がはみ出している状態です。その状態でお腹に力を入れて腹圧をかけてしまうと、さらに腸が外に出ようとしてしまい、症状が悪化してしまいます。そうならないためにも、腹圧のかかる行動は、できるだけ控えるようにしましょう。重たい荷物を持ち上げたり、大きなくしゃみや咳をしたりといった日常生活の何気ない行動で、腹圧はかかっています。また、筋肉を鍛えても筋膜の穴がふさがることはありませんので、腹筋などの運動は腹圧をかけることで逆効果になってしまいます。お腹に力を入れることは、できるだけ避けるようにしましょう。
- 太らないようにする
太ると、内臓周辺にも脂肪がついてしまい、その重さでさらに腸が筋膜の外に押し出されてしまいます。そうすると、鼠経ヘルニアが悪化することになるので、太るのはよくありません。内臓脂肪がつかないように、食生活にも気をつけて生活しましょう。
- 便秘の解消をする
便秘になると、腸に便が溜まって腸が戻らなくなる嵌頓状態になりやすかったり、便を出すためにトイレでいきんで腹圧をかけることが多くなるなど、鼠経ヘルニアにはよくないことが多いです。そうならないためにも、便秘にならないように普段から気をつけておくとよいでしょう。
鼠経ヘルニアは手術をしなくても治る?
赤ちゃんの鼠経ヘルニアは自然に治ることもありますが、そうでない場合は基本的には自然に完治することはありません。手術で穴を塞いで腸が出ないようにするのが一般的です。手術をしないのであれば、悪化を防ぐように気をつけて生活しましょう。嵌頓状態になると激しい痛みがあり緊急手術になることも多いので、普段から注意しておく必要があります。
まとめ
鼠経ヘルニアは、基本的には手術をしないと完全に治ることはありません。ただし、大きさが小さく、手で押して戻る程度であれば悪化しないように気をつけて生活している人も多いです。腹圧をかけたり、太りすぎたりして悪化させないように注意しましょう。