膝の痛みや引っかかり、曲げ伸ばしの際のポキッとした音。タナ障害の原因と予防法は?
2021年07月15日
タナ障害とは、膝の関節にある滑膜ヒダに炎症です。
タナ障害の原因
膝の皿と呼ばれる骨の内側にある滑膜ヒダに炎症を起こし、曲げ伸ばしの際に痛みを生じるのがタナ障害です。この滑膜ヒダは胎生期にできるもので、生まれる頃には退化してなくなることが多いのですが、約半数の人には残ったまま成長します。
滑膜ヒダは膝の内側と大腿骨の内側にあるのですが、動かしたときに関節に挟み込まれて引っ掛かり、炎症をおこしてしまうことがあるのです。
タナ障害は先天的な骨の形などによって起こりやすかったりもしますが、ジャンプや屈伸運動を多く行う競技などが原因で起こることも多いです。運動をしているときや、歩行時など、膝の曲げ伸ばしをしたときに、膝に引っ掛かりを感じたり、痛みがある場合はタナ障害の可能性がるので、運動を控えて受診することをおすすめします。
タナ障害の治療
タナ障害の治療は、基本的には保存療法を行います。炎症があって熱や痛みがある場合は、アイシングなどで冷やしたり、痛み止めや温熱療法を行うことが多いです。症状が収まるまでは運動を控え、安静にして過ごすことも大切です。個人差はありますが、運動を控えることで、2か月前後で痛みが治まることが多く、痛みが強い場合は、ステロイド注射などを使用することもあります。
こうした方法でも状態が改善せず、生活や競技に支障が生じるような場合は、滑膜ヒダを切除する手術を行う場合もあります。
タナ障害の予防
タナ障害の予防としては、運動前には膝関節部分を温めたり、膝のサポーターなどを使用する方法があります。また、膝周りの筋力をつけることで、タナ障害を起こりにくくすることができるので、大腿部などの筋力トレーニングをするのも有効です。同時に柔軟性も必要になるので、膝周りの筋肉の柔軟性を高めるようなトレーニングも行うのがいいでしょう。
まとめ
タナ障害とは、膝関節の内側にある滑膜ヒダが炎症を起こす症状ですが、この滑膜ヒダは約半数の人は生後退化して無くなってしまうものであり、無い場合はタナ障害を起こすこともありません。
膝の曲げ伸ばしをしたときに、引っ掛かりや痛みを起こすのが主な症状で、治療としては保存療法が取られることが多いです。膝周りの筋肉を鍛えたり柔軟性を高めるほか、運動前に膝を温めるのも予防になります。