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インピンジメント症候群、ルーズショルダーなど、野球肩の種類と主な症状。

野球をやっている人の多くが、インピンジメント症候群やルーズショルダーなどに悩まされています。

野球肩とは

野球は「力いっぱいボールを投げる」という動作をすることが多い種目です。この動作によって肩を傷めることも多く、野球が原因でおこる疾患を総称して野球肩とよびますが、一言に野球肩と言ってもいろいろな種類があります。

インピンジメント症候群

野球肩の中でも最も多いのがこのインピンジメント症候群です。肩の使い過ぎによっておこるもので、腕の上げ下げなど、肩の関節を動かすときに他の骨や筋肉と当たって痛みを生じます。腕を上げるときに痛みがあり、上げ切ってしまうと痛みはなくなります。痛み止めの注射をすることもありますが、一般的には保存療法での治療を行います。

ルーズショルダー

肩周りの筋肉が弱かったり、肩を使いすぎることによるもので、肩関節不安定症と呼ばれます。常に肩に違和感があり、ちょっと動かしたりしても痛みを感じます。肩関節が安定しておらず、本来の可動域以上の角度にも動くことで痛みが増します。保存療法が一般的でですが、症状が重い場合は手術を行うこともあります。

腱板損傷

肩にある4つの筋肉をまとめる腱板という組織が損傷した状態のことです。痛みが強く、ちょっとした動きで激痛が走ります。痛みで腕が上がらないこともよくあります。

リトルリーグショルダー

成長期に起こりやすい投球障害で、ボールを投げるときや投げた後に痛みを感じます。骨の端にある成長点という軟骨が損傷して起こる疾患です。そのままにしていると、子どもの成長にも関わるので、きちんと処置を行って治しておきましょう。

肩甲上神経損傷

ボールを投げるときの腕の振り降ろしによって、肩の神経が圧迫されておこります。痛みは肩の後ろ側に現れやすく、見た目にも肩甲骨が盛り上がって見えます。野球のほか、テニスやバレーボールでも起こりやすい疾患です。

まとめ

野球は子供のことからボールを力いっぱい投げることが多く、特定の場所に負担がかかることから肩を痛めてしまうことも少なくありません。こうした肩の故障を総称して野球肩と呼ばれますが、実際にはいろいろな種類の疾患があり、原因や痛みの出方、治療法もさまざまです。肩の使い過ぎで起こることが多いので、特に成長期の子供は練習内容も故障しにくいように考えたものにするのがよいでしょう。