かかとが腫れたり、痛くて歩きづらい…。成長期の男の子に多いセーバー病(踵骨骨端症)とは?
2021年11月20日
セーバー病は、かかとに負荷を繰り返しかけることによって起こります。
セーバー病とは
セーバー病とは、10歳前後の子供に起こりやすいかかとの障害で、正式には焼骨骨端症と呼ばれます。かかとには、成長期の子供特有の骨端軟骨があり、かかとの骨と踵骨骨端核とを繋いでいます。成長期に過度な運動などでかかとに負担をかけ続けると、かかとの骨に血流障害が起こり、踵骨骨端核が壊死したり、骨軟骨が炎症を起こしたりするのです。これがセーバー病といわれるもので、10歳前後の成長期に起こりやすいのが特徴です。
セーバー病の症状
症状としては、激しい運動をした後にかかとの痛みを生じることが多く、歩いたりしてかかとに負荷をかけると痛むため、つま先歩きになる子供もいます。歩いたりっ走ったりしてかかとに負荷を与えたときだけでなく、アキレス腱を伸ばした時に痛みを感じるため、アキレス腱炎と間違えないように気をつけましょう。アキレス腱がかかとの骨に接する部分に腫れが見られることもあります。
セーバー病の治療
治療は基本的に保存療法をとりますが、かかとにかかる負荷を減らずために、専用の中敷きを使用したり、かかと部分のクッションが優れたシューズを使用するのがおすすめです。かかとに負荷をかけない方がよいので、ランニングはアスファルトではなく土のグラウンドで行うなど、地面の柔らかいところで運動をするようにしましょう。痛みがある場合は運動を控え、アイシングや痛み止めを使用することもあります。痛みが強い場合は、松葉杖を使うなどして、かかとへの負担を減らします。
セーバー病の予後
セーバー病は治療を行っても治るまでに数か月から数年かかることがありますが、成長期を過ぎるころには治りますし、予後は良好な疾患です。そのため、あまり心配することはありませんが、痛い間はスポーツを控えるか、継続する場合はかかとへの負担をできるだけ減らすように、医師に相談しながら行うのが良いでしょう。
まとめ
セーバー病は、成長期に過度な運動をすることで、かかとの骨に負担がかかって起こる疾患です。痛みがある場合はかかと部分のクッションがよくなるように、靴の中敷きや運動靴に気を付けましょう。痛みが亡くなるまで1年程度かかることも多いですが、予後はよい疾患なのでそれほど心配することはありません。