明け方に両手の親指から薬指までがしびれる。手根管症候群とは?
2020年09月08日
手指のしびれや痛みがある場合は、手根管症候群かもしれません。
手根管症候群とは
手の指を動かす正中神経は、腕から手首を通ってそれぞれの指に達しますが、その正中神経は手指を動かす腱と一緒に手首の部分で手根管という管に包まれています。
この手根管は腱や神経を保護してスムーズに動かすためのものですが、この手根管に炎症を起こすことで指にしびれや痛みが起こるのが手根管症候群です。
手根管症候群の症状
正中神経によって影響を受けるのは、手の親指から中指までと、薬指の親指側半分です。そのため、手根管症候群になるとこれらの指にしびれや痛みを感じます。
日常的にしびれがあったり、動かしたときに痛みがあったりすることもありますが、多いのは朝起きたときに強くしびれや痛みを感じるというもの。
また、小指は正中神経の支配外であるため、症状が現れることがありません。手がしびれるけど小指はなんともない、という場合は手根管症候群を疑ってもよいでしょう。
手根管症候群の原因
手根管症候群の原因はっきりしていませんが、妊娠中や出産前後、または更年期の女性に多いのがその特徴です。これらの年代の女性は共通してホルモンのバランスが普段とは異なっているため、ホルモンが影響しているとも考えられています。
また、手を多く使う人がなりやすいという傾向があるため、使い過ぎが原因で手根管症候群になることもあるとされています。
なお、透析をしている人は特になりやすい傾向があるので、注意しましょう。
手根管症候群の対処法
手根管症候群と診断された場合、基本的には消炎鎮痛剤を貼ったり、飲み薬を飲みながらの保存的療法がとられることが多いです。ホルモンバランスんの崩れは一時的なものであることが多いですし、使い過ぎによる炎症の場合も、手を使わないように気を付けることで徐々に改善が見込まれえるためです。
ただし、症状によっては手根管を切開する手術などによる外科的療法で治すこともあります。症状の改善や予防のためには、普段から手に負担をかけないように、重いものは両手で持つようにしたり、パソコンを打つときの手首の角度に気を付けるなどの注意が必要です。
まとめ
手根管症候群は、手根管の炎症により手指にしびれや痛みが現れるものです。小指だけなんともない、という場合はこの疾患を疑ってもよいでしょう。普段から手や手首に負担をかけすぎないように気を付けることが、症状の改善や予防に役立ちます。