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 スポーツ愛好家に多い「アキレス腱炎」。その原因と治療法について。 

アキレス腱に炎症が起きるアキレス腱炎は、重症化すると長期の治療が必要になります。

 アキレス腱炎とは

アキレス腱は、人間の体の中でもかなり大きな腱であり、丈夫な腱でもあります。しかし、歩いたり走ったりといった足を使う場合は常に負担がかかる部分だけに、炎症を起こすこともあり、それがアキレス腱炎と呼ばれる状態です。

アキレス腱炎の原因

アキレス腱炎の原因はいろいろありますが、アキレス腱の使い過ぎが主な原因です。スポーツ愛好家にその症状が出やすいのは、走ったり跳んだりするスポーツの動作が、アキレス腱に強い負担をかけるためです。丈夫なアキレス腱ですが、やはり使いすぎると炎症が起こりやすくなるのです。

 

また、アキレス腱はねじれの動きに弱いため、歩いたり走ったりするときに足首が正しい角度になっていなかったり、靴の減りのせいで足の角度がおかしくなっていると、アキレス腱を傷めやすくなります。普段あまり運動をしない人や、歳を取るとアキレス腱も弱くなるため、アキレス腱炎をおこしやすいということもあります。

アキレス腱炎の治療

アキレス腱炎の初期症状は、歩き出す最初の1歩に痛みを感じたり、つま先立ちをしたときなどに痛みを感じるようになります。アキレス腱を押しても痛みがあります。これが悪化してくると、歩いただけでも痛みが出るようになるので、早めに治療を行うことが大切です。

 

治療の基本は、安静にしてアキレス腱への負担を減らすことです。走ったり跳んだりといった運動は控え、ストレッチを行うのが有効だとされています。症状が軽い場合はこれで治りますが、それでも数週間は必要です。症状によっては、ギプスで固定するなどして、足首を動かさないようにすることもあります。

 

重症の場合は、数週間の安静で治すのは難しく、数か月たっても痛みが消えないことも少なくありません。この場合は、衝撃波を患部に照射することで痛みを除去する対外衝撃波療法や、本人の血小板を注射することで回復を促進させるPRP療法を行うこともあります。

まとめ

アキレス腱炎の原因は、アキレス腱の使い過ぎである場合がほとんどです。軽度の場合は数週間の安静で治りますが、そのまま運動を続けていたりすると重症化して安静だけでは数か月たっても痛みが残り、より高度な治療が必要になる場合もあります。症状の軽いうちに、安静にして治すことが大切でしょう。