一覧に戻る

マラソンランナーに多い、足底腱膜炎(そくていけんまくえん)とは?

土踏まずを支える足底腱膜を使いすぎることで炎症をおこした状態です。

足底腱膜炎とは

足の裏には土踏まずと呼ばれるアーチがありますが、そのアーチを保持するために足の裏にあるのが足底腱膜です。走ったり跳んだりするときにかかる衝撃は、アーチによって吸収されますがその際には足底腱膜に負担がかかります。マラソンランナーのように、長時間継続的に足底腱膜に負担をかけ続けることによって、足底腱膜の一部が損傷して炎症を起こしたり、小断裂がおこったりします。これが足底腱膜炎です。

足底腱膜炎の症状

足底腱膜炎の特徴は、歩き出しの最初の一歩に痛みを感じることです。特に朝起きて歩こうとした時に激痛が走ったり、座って作業をしたあとに急に歩こうとすると痛みを感じることが多いです。足の裏、土踏まずのかかと側の部分を押したときに痛みがあるのも、足底腱膜炎が疑われる症状です。

足底腱膜炎の治療

足底腱膜炎の治療ですが、原因が足底腱膜への過剰な負担ですから、その部分に負担をかけないように安静にすることが第一です。歩かないというわけにはいかないでしょうが、走ったり跳んだりといった激しい運動は避けるようにしましょう。スポーツをしている場合も、足底筋膜に負担のかかる動きはしないようにします。アスファルトなどの固い床は土踏まずのクッションを使いがちになるので、芝生や土の柔らかい場所の軽いランニングくらいから再開するようにしましょう。足の裏全体で体重を支えられるように、土踏まずの部分が盛り上がった中敷きを靴に入れることもあります。

 

以前はステロイドなどの注射がよく用いられていましたが、最近はステロイドに否定的な考えも多くなっており、あまり注射が使われることはなくなりました。どちらかというと、ヒアルロン酸の注射を使われることが多くなっています。また、対外衝撃波による治療を行う場合もあります。

しっかりストレッチを

どうしても体重がかかる部分ですし、安静にするといっても歩くときに多少は足底筋膜を使うことになるので、一度炎症を起こすと治るまでにある程度時間がかかる場所です。そのため、予防が大切になっていて、運動前には足の裏を伸ばすようにゆっくりとストレッチを行う習慣をつけましょう。普段から足の裏に負担のかかりにくい靴やインソールを使うことも大切です。

まとめ

足底腱膜炎は、マラソンランナーなどに多い疾患で、足の土踏まず部分のアーチを支える足底腱膜に炎症をおこすものです。普段からストレッチをしっかり行うなど予防に心がけ、炎症を起こした時は足の負担を減らすように安静に過ごしましょう。