赤ちゃんの斜頭症

赤ちゃんの斜頭症とは

斜頭症とは、赤ちゃんの頭を上から見たときに、頭部の片側が斜めにゆがんでいる状態のことです。頭蓋骨の一部が平らになり、左右非対称に見えるのが特徴です。

ゆがみが進行すると、耳の位置が左右でずれたり、おでこや頬の出方に左右差が生じたりと、顔面にも影響が出ることがあります。病気ではなく、外部からの圧力によって起こる位置的なゆがみがほとんどです。

日本の研究によると、生後6ヶ月時点で斜頭症が見られる赤ちゃんの割合は約43.2％にのぼります。2025年の調査では、0〜2歳の子どもを持つ保護者のうち約2人に1人が「赤ちゃんの頭の形が気になる」と回答しています。性別では男児に多く見られ、男女比はおよそ2:1です。

斜頭症を放置すると、頭蓋骨がゆがんだまま固まってしまいます。生後6ヶ月を過ぎると頭蓋骨は徐々に硬くなり、1歳頃にはほぼ形が定まるため、その後の改善は難しくなります。

目への影響として斜視や乱視が生じる可能性があり、放置すると弱視につながることもあります。首や背中の骨にゆがみが出て、将来的に慢性的な肩こりや頭痛の原因になることも。耳やあごの位置が左右非対称になり、歯のかみ合わせが悪くなるケースもあります。

さらに、メガネや帽子、マスクがかけにくくなるなど日常生活で不便が生じます。顔のゆがみによる見た目のコンプレックスから、自尊心の低下を招く可能性も指摘されています。

赤ちゃんの斜頭症の原因

医学的には斜頭症の主な原因は以下のように説明されています。

向き癖による片側への圧力集中

赤ちゃんが常に同じ方向を向いて寝ることで、片側の後頭部に圧力が集中し、その部分が平らになってしまいます。斜頭症の原因として最も多いケースです。

難産や吸引分娩による出産時の圧力

難産で長時間産道に頭が挟まれたり、吸引分娩によって頭に圧力がかかることで、やわらかい頭蓋骨が変形することがあります。

首の筋肉が硬い筋性斜頸

首の筋肉（胸鎖乳突筋）の片方が硬く、首を動かしにくい状態です。筋肉が硬い方に頭が傾くため、向き癖がつきやすくなります。

子宮内での胎児期の圧迫

子宮内での姿勢や双子・多胎妊娠などにより、胎児期から頭に圧力がかかっていた場合にゆがみが生じることがあります。

頭蓋骨縫合早期癒合症

まれに頭蓋骨のパーツをつなぐ縫合部分が早期に閉じてしまう病気が原因のことがあります。この場合は手術が必要になります。

このように斜頭症はさまざまな原因が重なり合って起きるため、単にドーナツ枕を使うだけでは根本的な解決にはなりません。

斜頭症の改善には個々の背景や生活環境、赤ちゃんの体の状態などを丁寧に見極めることが大切です。

病院とはここが違います

斜頭症の場合、病院では次のような治療法が一般的です。

体位変換・タミータイム指導

効果が出るまでに時間がかかり、毎日こまめに実践する必要があります。すでにゆがみが進行している場合は、これだけでは十分な改善が見込めないことがあります。

理学療法

専門家のもとへ定期的に通う必要があり、時間と手間がかかります。また重度の斜頭症には効果が限定的で、ヘルメット治療との併用が推奨されることもあります。

ヘルメット治療

費用が高額で、一般的に約30万〜50万円程度かかります。健康保険や乳児医療証の対象外となる自由診療です。また1日約23時間の装着が必要で、夏場は蒸れによる皮膚トラブルが起こることがあります。

経過観察

様子を見ているうちに治療に最適な時期（生後3〜6ヶ月）を逃してしまうリスクがあります。重度の場合は自然に改善しにくく、後から「治療しておけばよかった」と後悔するケースも報告されています。

赤ちゃんの斜頭症を改善するために

赤ちゃんが産道を通るとき、頭には数十kPa程度の圧力がかかることが報告されており、小さな体にとっては大きなストレスになると考えられます。

出生時には、首や筋肉に負担がかかるような生まれ方をするケースもあり、その影響が残ると向きぐせとして現れる場合もあります。また、出産時の頭の変形（モールディング）は自然な現象で、頭蓋骨が少し重なり合って小さくなり産道を通りやすくなります。出生後、呼吸を始め日が経つにつれ、頭蓋は本来の丸みに戻ろうとしますが、その過程がうまくいかないと斜頭症として頭の形のゆがみが目立つことがあります。

さらに、生後にいつも同じ向きで寝ていると、まだやわらかい頭蓋骨が一方向から長時間圧迫され、頭の形がゆがむことも知られています。

小児カイロプラクティックでは、まず「なぜこのお子さんの頭がゆがんでいるのか」を丁寧な問診と検査で確認し、その原因を特定することを重視します。現状と原因を正しく把握せずに対処だけを続けると、一時的な変化はあっても根本的な改善につながりにくいためです。

斜頭症は向き癖だけが原因とは限らず、首の筋肉の緊張や骨格のバランスなど、複数の要因が絡み合っていることも多くあります。当院では詳細に分析し、頭のゆがみの背景にある身体全体の問題を見つけ出します。

当院の特徴

臨床経験豊富なカイロプラクターが、検査から施術まで責任をもって担当しますのでご安心ください。

当院では、量子力学をベースにした新しいカイロプラクティックを用いています。従来のカイロプラクティックに加え、身体に負担をかけない優しい施術で、赤ちゃんからご高齢の方まで安心して受けていただけます。

斜頭症の臨床経験を積んだカイロプラクターが責任をもって検査や施術を行います。施術だけではなく、ご自宅でできる向き癖対策や姿勢のアドバイスもお伝えしながら、お子さまの頭のゆがみのお悩みに向き合います。

赤ちゃんの斜頭症でお悩みなら一度ご相談ください。

＊斜頭症の程度が強いお子さまについては、必要に応じて提携先の小児科をご紹介し、ヘルメット治療（ヘルメット療法）についてのご相談・ご案内も行っています。

赤ちゃんの斜頭症のQ＆A

斜頭症は自然に治りますか？

軽度であれば成長とともに目立たなくなるケースもありますが、中等度〜重度の場合は自然に治ることは難しいです。生後6ヶ月を過ぎると頭蓋骨が硬くなり始めるため、早めの対策が重要です。

斜頭症の赤ちゃんにやってはいけないことは？

同じ方向ばかり向かせて長時間寝かせ続けることは避けてください。チャイルドシートやバウンサーに長時間座らせることも頭に圧力がかかりやすいため、こまめに姿勢を変えることが大切です。

ヘルメット治療は生後何ヶ月から始められますか？

一般的に生後3〜6ヶ月頃が治療開始に最適な時期とされています。頭の成長が活発なこの時期に始めることで、効果が出やすくなります。1歳を過ぎると頭蓋骨がほぼ固まるため、治療効果は限定的になります。

ヘルメット治療の費用はどのくらいかかりますか？

自由診療のため医療機関によって異なりますが、一般的に30万〜50万円程度です。健康保険や乳児医療証は適用されません。分割払いに対応している医療機関もあります。

ヘルメット治療に副作用や後遺症はありますか？

主な副作用は蒸れや擦れによる皮膚のかぶれや水ぶくれです。ただし軟膏やヘルメットの調整で対処可能で、ほとんどの赤ちゃんが治療を継続できます。正しく調整されたヘルメットが脳の発達や成長を妨げることはありません。

斜頭症は何科を受診すればいいですか？

まずはかかりつけの小児科に相談し、必要に応じて「頭のかたち外来」を設けている専門医療機関や脳神経外科、形成外科を紹介してもらうとよいでしょう。当院のようなカイロプラクティック院でも、骨格や神経系の観点からアプローチすることが可能です。

向き癖を直すにはどうすればいいですか？

寝かせる向きを定期的に変える、向き癖と反対側に興味を引くおもちゃを置く、起きている時間にうつぶせ遊び（タミータイム）を取り入れるなどが有効です。ベッドの向きを180度変えるのも効果的です。

斜頭症と頭蓋骨縫合早期癒合症の違いは何ですか？

斜頭症のほとんどは向き癖などによる外部圧力が原因ですが、頭蓋骨縫合早期癒合症は頭蓋骨の縫合部分が早期に閉じてしまう病気です。後者は脳の発達に影響するため、手術が必要になることがあります。

斜頭症は遺伝しますか？

向き癖による一般的な斜頭症は遺伝しません。ただし頭蓋骨縫合早期癒合症の一部には遺伝的な要因が関係するケースもあります。心配な場合は専門医に相談することをおすすめします。

斜頭症は発達に影響しますか？

必ず影響するわけではありませんが、海外の研究では斜頭症が発達の遅れのリスク要因になる可能性が指摘されています。ただし因果関係は明確に解明されておらず、個人差も大きいため、気になる場合は医師に相談してください。

斜頭症で悩まれていたお子さまも、当院のサポートや施術でこのような変化を感じていただいています。

当院のカイロプラクティックは赤ちゃんにも安心・安全で、頭のゆがみの改善にも効果が期待できます。

もう遅い、と考えずに一緒にお子さまの健やかな成長を目指しましょう！